管理職は様々な雇用に対応しなければならない

現在、大小問わず、企業では正社員、契約社員、パートタイマーやアルバイト、派遣社員など様々な雇用形態の人々が働いています。

あなたの職場はどうですか?

この10年、企業では正社員が当たり前といった光景は少なくなっていますよね。

管理職はこうした様々な雇用形態からなる人々を束ねて業務を遂行しなくてはなりません。

多様化する雇用形態に翻弄される

様々な雇用形態の人が働く職場では、ときおり対処するべき問題が発生します。

「どうせ長く働く気がない」と仕事を与えられず、職場内で孤立してしまう契約社員、「黙って働けばいい」とでも言わんばかりに仕事を振る社員、振られるパートタイマー。非正規社員は正社員に注意指摘が出来ないといった謎階級制度。逆に、働かないと指摘される正社員、改善出来ない上長への不満など。

労働環境や賃金、キャリアアップ、時間管理や福利厚生など、現在では国も様々な法案を作り改善を図っていますが、元々職務給ではなく職能給の年功序列型賃金制として成り立ってきた社会です。未だ雇用形態には偏見や差があるのが当たり前として受け入れられている職場は多いでしょう。

それは働く側にも言えることで、単純作業の安易な労働力と思われていれば、「私は正社員じゃないから」「あいつは派遣だから」などと社内で雇用形態の階級が作られることもしばしばです。

そもそも待遇が違えば「作業割合はより待遇の良い方に傾くべきだろう」と考えるのは必然。「同じ仕事なのに、正社員のほうが待遇も給料も良い」と思えば確執が生まれるものです。

職場内のいざこざ、雇用形態の異なる社員への嫌がらせ等、管理職が「見て見ぬふり」をしていては、職場が安定せず、最悪の場合、崩壊に繋がりかねません。現場を預かるリーダーである以上、これらは避けられぬ問題なのです。

雇用する側の理解不足が原因の場合も

ルールや規則を理解せず、この問題に対応することはできないでしょう。

例えば、自社において「有期契約社員は正社員登用が出来るか否か」を理解していますか?自社の雇用形態別の処遇制度はどうなっているのか?昇給評価はどのように決まっているのか?

管理職、まして部長課長クラスでも、このことを理解していない人は多い。

労務や雇用は総務人事の仕事だと言っても、実際に物事が起きるのは、自分の預かる部署内ですから、部下の雇用契約に関することは理解しておくべきです。

また、なぜそのような働き方を選んだのか、なぜ正社員を選ばなかったのか、その理由と動機をきちんと確かめることが重要です。

  • 私はフリーで仕事がしたい、様々な職場で、様々な経験をしてみたい
  • 自分を活かしてくれるのなら、どのような職場でもいい
  • 契約社員でもいいから、まずこの会社で働きたかった
  • 責任のある仕事は自信がなかった
  • マニュアルや手順に沿って仕事をしたい
  • 経済的裕福でなくとも、仕事以外の時間を大切にしたい
  • 無理しない範囲できっちりと仕事をしていたい
  • 安定した雇用契約のもとで働きたい

これらは一部にすぎませんが、その社の正社員を選ばない傾向として、昇進や出世などの大きな責務を望まず、無理せずきっちりと働くこと、そして経済的な恵みよりも自分が大切と思う時間を有効に使いたいといったことを望む傾向にあります。

また、「安定した雇用契約のもとで働きたい」という言葉の裏には、「自分の望む働き方をするために、安定した職場で働きたい。」といった願いもあるのです。

なぜ正社員を選ばなかったのか?この理由と動機を確かめる。と言いましたが、ここで注意して欲しいことがあります。それは、自ら選んで今の道に至るのか、それともその道を探している過程なのか?という点です。

つまり、「優先すべき事項があり、その条件を満たした上で今の職場を選んでいるのか」それとも、「自分が望む働き方を探して今の職場を選んでいるのか」ということです。

前者は自発的に今の職場を選んでいます。今の雇用形態を自ら進んで受け入れている場合、その職場で働きながら、自分の望む働き方を続けたいと願っています。

一方、後者の場合は「安定した雇用契約のもとで働きたい」けれど「自分の時間も大切に出来る働き方を探したい」と、正社員雇用を望みながら、自分の理想とする働き方を探し、正社員になれずにいる可能性があるのです。

正社員になれば、自ずと昇進する機会が伴う。とすれば、マニュアル的な仕事が減り、責任が伴うようになる。「最も安定した雇用形態」を得ることは、これらの義務を負うことになるのです。

現状の正社員になることが「望むべき働き方」に値するのかどうか、その選択権は彼らにあることを理解しなくてはなりません。

正規、非正規と分けたところで、結局は雇用形態の違い、働き方の違いであり、共に働く仲間であることは変わらないのです。

働き方は人それぞれ

彼らの現状の理由と動機を知ることとは別に、働く理由と動機を確かめることも重要です。

明確な理由があるかどうかで、その人の姿勢が自ずと違うからです。姿勢が違えば、管理職の働きかけも異なるでしょう。

例えば、ひと口に契約社員といっても、様々な働き方があります。

新入社員型

彼らは会社の仕事内容や給与、安定性に着目して入社してきます。

長期的かつ安定した状況下で働くことを願い、専門的なスキルはあまり持ち合わせていないことが多く、初期の研修や教育が重要です。

技術・技能型

いままで培ってきた技術・技能を活かして就職するケース。

転職の場合、大抵ステップアップしてくることが多く、即戦力として活躍が出来る反面、きちんとした目標や活用方法を与えてあげないと十分な力を発揮できません。若手への技能継承など、明確な目標を作ることが重要です。

プロ契約型

彼らは自発的な入社というより派遣などから雇われることが多いです。

例えば新規事業立ち上げに伴い、その道に精通した経験豊富な人材として採用され、そのノウハウを自社社員に継承してもらい、できるだけ短期間でノウハウを伝授することを目指します。彼らは短期契約かつ業績をあげることを望まれますから、プロ野球選手のような感じですね。成績が悪ければ翌年から自由契約です。

この人たちにとっては「営業目標の達成、及び翌年の契約更新(雇用確保)」が目標であり、また、それが就職の理由と言えるでしょう。

契約社員はときに正社員よりプロ意識が強い場合もあるのです。

「やむをえずなった」のか「なりたくてなった」のか動機を確かめ、職場での期待をきちんと伝えましょう。そして期待に基づく目標を設定してあげることが大切です。

バランス調整が管理職の役割

個々に目標を設定してあげることは、あくまでもそれぞれのモチベーションを上げるためであり、職場全体を管理するためには、やはり全体のバランスを考える必要があります。

この場合のバランスとは、仕事の範囲、目標、配置、スキル、評価の5つ。

政府の考える「同一労働同一賃金」が示すように、格差が合理的理由で説明できないような状況は、これからの時代、よろしくないのです。

心理的に考えても、同じ時給で「自分より明らかに楽な仕事をやっている」と思えば、そこはやはり「面白くない」と思うものですよね。ただし、これはどうにもならない。

なので、職場を問題なくまとめる為には、それぞれ合理的な理由でその仕事をやっているんだという説明が出来る状況を作り、社員全体が「しっくり」してる感じを作るのが、もっとも反感を生み出さない職場環境になります。

だからこそ、管理職の人員配置や育成は非常に重要になると言えるでしょう。

例えば、フルタイムとパートタイムを比較した場合、勉学等負担のある学生、家事負担や扶養のある既婚者、体力的に限界がある高齢者などはフルタイムよりもパートタイムを選考する為、業務責任よりも時間的拘束を優先する傾向にあり、処遇や給与面でフルタイムより低くても受け入れ、割り切っている部分があります。

業務責任より時間的拘束を優先する。つまり両者が同じ業務に携わることは互いに摩擦を生むことになりかねません。

同じように、雇用形態は同じでも、仕事が10出来る間に隣で1しか終わらない状態であれば、やはり同様です。この場合は基本な教育の機会を作り、知識や技能を身につけさせることが優先されます。

正社員は部分的なまとめ役として、経験を蓄えてキャリアアップに繋げるよう促す。

契約社員には具体的な業績目標を与えて進行度合いをきちんと評価してあげる。

派遣社員には時間内の効率を重視するよう目標設定をして全体進行の緩和を図る。

パート社員は出番と回数を活かすようスケジュールを組み、特定の時間幅を有効に活用する。

「なぜあの人はあの仕事をしているのか?」と聞かれた時に、その人の「働き方」「雇用形態(賃金や福利厚生)」「与えている目標」「現状のスキル」をパッケージとして捉え、答えられる状況を作っておくことです。

複数の雇用形態が入り混じる職場では、特に全員がそれぞれの状況を把握していることが理想ですが、なかなか難しいでしょう。

大切なことは、管理職は正規非正規という枠で見ることなく、個々の働き方を理解し、その環境をきちんと全員に共有していること。よって、社内情報等、共通の情報は全員提供すること。そうすることで、全員がそれぞれの働きに大きな意味があることを知ってもらうのです。

もし、職場内の出入りが多く人が育たないと悩んでいるのであれば、個々の働き方を理解し、上記のようなバランスを見直すことです。

最後に、もし面接に立ち会えるなら、是非立ち会ってください。

人事選考で入社した人の中には、時に正攻法で解決出来ない人もいることは事実。自分の中に明確な方針があるのなら、自分の目で見て判断するのが一番効率的です。

自分が面接した部下ほうが、信頼を得やすいですしね。

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